A-course VOICE
会員のみなさんの声


Aコース受講者のみなさんの声をピックアップしたものです。


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Aコース第2期 [2021年3月6日-4月3日]
Aコース第1期 [2020年10月24日-12月12日]

医薬品の開発講義(Part-1):創薬から申請まで
患者 とても有意義な時間だった。医薬品開発の創薬から申請までを丁寧に学ぶことができた。薬機法の下位にあるG〇Pは存在自体を知らなかったので、よくもらう臨床研究に関する同意書が、このような規制に沿って作られていることを知って驚いた。薬の候補探しの話も漠然とは理解していたが、研究の段階を知ることができた。グループワークも多様な意見で勉強になった。
家族 臨床試験に対するイメージは、実際の経験の有無・病気の状態・背景によって差があることがわかったし、治験への参加にも影響していると思う。
治験を施す側は誤解がないように・見落としがないようにと細かく考えるために、説明文書や検査回数が必然的に多くなる。その結果、実は患者家族の観点からは理解しにくい状況を作っている可能性があることも、今回のグループワークから感じることができた。
PPIを進めると言うことは、このように患者・市民の視点と、研究・医療者側のズレを埋めていくことなのだと体感できた。
患者 同意文書の項目のランキングや、プラセボを受け入れるかどうかといった、ふだん考えたことのないテーマについて考えて、患者・家族・患者アドボケートなど、いろいろな立場の方と一緒にグループディスカツションができて有意義だった。日頃は癌患者・家族の人達との接触が多いので、癌以外の難病の方のご意見が聞けて良かった。
市民 ・短時間のグループワークでも本音が交わせたのは、参加者がほぼ全員患者や一般の立場であったからかと思う。
・同意説明文書は治験責任医師が作るべきものだが、実際には製薬企業がドラフトするため、主語が不明確なこともある。また、ヘルシンキ宣言(世界医師会)を日本医師会が翻訳しており、医師主導の形になりがちかも、という意見を聞いて納得できた。
・負担に思うことの中に不便が含まれると考えるが、CRCの説明時に口頭で補ってもらうとよいかもしれないと感じた。
患者 リード化合物の最適化までに多くの物質から絞り込んでいる事を初めて知った。この時代にそんなに長く手間をかけるのかと疑問だったが、納得できた。臨床研究と臨床試験と治験等の違いを知ることが出来て良かった。グループワークでは、同じ設問でも立場によって気にするポイントや問題点が大きく異なることを改めて感じた。同じ患者同士でも、病気やこれまでの経験・知識で自分の事として受け止めているかどうかに違いが出てくることを知った。
市民 同意説明文書の「同意」は「各項目について理解できている」「全項目を同意した」という意味での意志表示だとすると、とても時間のかかる決断だと感じた。同意した後でも後戻りできるように、「理解ができていなかった事に気付いたり」「不安な事が出来た」ときに、製薬会社側でない第三者的に本音で相談できる受け皿が欲しいと思った。また、患者側が結果を知る権利や、効果に見合う薬価かどうかの意見を出す権利も欲しいと感じた。
市民 ・開発から市販後の各段階で、G〇Pと呼ばれる様々な基準が細かく定められていることを学んだ。一般市民がその薬の安全性を判断する場合、新薬の販売後に公表される添付文書のみを確認しがちだが、そこに至るまでの流れや、規制や制度を基準にチエックが行われることを知り、PMDAのホームページを閲覧するうえでもとても参考になった。
・様々な立場の方々とのグループワークで、経験に基づいた貴重なお話を聴けて視野が広がった。一人一人の立場や状態、置かれている環境や時間によっても、感じ方・とらえ方が異なることを改めて考じた。だからこそ、インフォームドコンセントの重要性、そして研究対象者となるかもしれない側から質問をすることがとても大切だと思った。不安を同意説明の段階である程度払拭することは、お互いに今後の信頼関係につながる大切なことだと思う。
・18項目もの説明を受けなければならない同意説明では、健常者であっても、慣れない用語や、想像もできない状態を理解するのはとても難しいと思う。だからこそわからないことをちゃんとわからない、と言えることがとても重要ではないかと思った。
市民 医薬品開発の基本である「非臨床試験」から「治験」までの概要をとてもわかりやすく理解できた。途中で質問時間が設けられていたので、わからないこともすぐに聞くことができ、理解しやすかった。他の方の質問を聞くと、どんなことを疑問に思っているのかがわかり、それも理解を深めるのに効果的だった。グループワークも適正な人数で、患者さんと一般市民の比率もちょうどよく、詳しい方もいらしたり、まとまり感もあってちょうど良かった。様々な意見を聞けて、勉強になった。
患者 事前に資料が配布されたため予習することができ、深い学びができたと思う。特に、グループディスカッションでは患者側の意見が一致するところが多く、患者からみて分かりやすい同意書作りや、タブー視されやすい金銭面での負担の明確化などがあがった。日本の医療は医師主導で、患者がNOといえない風潮があると思う。医学研究の倫理規則であるヘルシンキ宣言自体が医師主体にできている点が問題ではないろうか。

医薬品の開発講義(Part-2):申請から承認・処方まで
患者 医薬品の制度について非常に勉強になった。市販後の安全性は多くの人に使われることとトレードオフの関係にあることや、副作用報告が医師の努力義務であるために見落とされているかもしれない可能性について疑問が沸いた。
「育薬」はとても大事だと思うが、エンドユーザーである患者・市民が認識する機会が乏しいと思った。制度・規約がどんなにしっかりしていても、本来の目的に向かうのではなく、規約の順守に意識がいってしまうと、本来の趣旨からずれていくのではないか。お薬手帳や、医師に伝えること、薬剤師と話すことの大切さが患者市民に理解されると、より良い治療の開発に繋がると感じる。また、患者の声に耳を傾ける重要性を医療者側も理解する必要があると思った。日本では、多くの分野でとても誠実できめ細やかであると感じるが、それを共通認識として理解する機会が乏しいのは勿体ない。/td>
患者 今回の参加者はリテラシーが高く、医薬品や医療に関する問題意識を持っているので良いディスカッションができた。しかし、育薬や安全性情報の報告など、一般市民にはまだまだ浸透していないので、周知していくことが必要だと思った。
患者 グループワークで企業側の方のお話を伺えたのは大きかった。どうしてこういう表記になっているかを聞いたり、逆に患者の意見を入れると改善するのでは?等、市民参画に繋がりそうな意見交換が出来て、色々な立場や経験に基づく意見を聞くと視野も広がることを学んだ。また、薬の情報がわかるサイトを教えてもらい、患者にも開かれた情報ツールをこれからも知りたいと思った。
市民 患者側は自分の身体を自分で守る意識を持つ必要があると改めて感じた。副作用や何かが起こった時に薬を調べる機会に出くわすが、患者同士だとそれぞれが発信しない限り情報は共有できない。担当医に相談しても想定外の症状は受け入れてもらえないので、患者が自由に服薬後の感想を出していける環境を整えてほしいと感じた。今後の薬の理解の為にも、医師・薬剤師・製薬会社へと患者側が情報発信していく事の重大さを感じた。
市民 業務で製薬会社の情報資材を作っているが、自分の仕事が「創薬」全体のどの辺りなのかがわかった。仕事で少し関わっている私でも日本の創薬システムの全容は知らなかったし、グループの方も皆知らなかったので、一般市民はもっと知らないだろう。まずは「知らせることから」始める必要があると感じた。「くすりのしおり」も初めて見たが、患者に対するホスピタリティに欠けていて、「医療の延長線上なのになぜホスピタリティが欠けてしまうのか?」と、いつも私が感じていて克服すべきテーマの根本を見た気がした。
患者 副作用であっても、くすりのしおりなどで使用者側が納得して報告しない一方で、製薬会社はその情報が欲しいという、相対する二つの考えがあることを初めて認識した。薬の使用者(患者)が報告することにメリットがあると、報告数が増えるのではないか感じた。現在の患者向け資料は分かりにくく、使いにくいように感じた。患者向け資料の作成はPPIの始めの一歩として最適ではないかと思う。

治験・臨床研究と倫理の実際、企業とのコミュニケーション・COIについて
患者 実際にLay personの意見が求められる場面で、当事者自身が勉強しつつも一般人の目線を忘れないようにすることで一般人を代弁できる、というのは難しいとは思ったが驚きだった。企業とのコミュニケーションでは製薬会社の横並びや日本の患者会の良さも聞くことができて、勉強になった。
家族 研究の倫理、公正さ、さらには製薬企業と患者会との関係すべてが、私自身の体験で常に課題であった。日本は研究する医師が臨床も行っていて、研究費も十分でないことから発生してしまう研究バイアスは、研究を大切に思うからこそ、複雑な思いがあった。さらに、難治・希少疾患におけるアンメットメディカルニーズの突破口の難しさも痛感していたので、このような学びの機会が相互の理解に繋がり、扉をあけていくことを願う。国民皆保険制度があることの意味や重みへの国民の理解も大切だと感じていたので、誠実に取り組まれている姿勢をみると今後のモチベーションにもつながる。
患者 患者や市民の立場で倫理委員会・審議会に参加して意見を述べるためにはある程度の医学的な知識が必要で、そのための勉強も必要だが、勉強した上で敢えて患者や市民の言葉を使って話すという戦略は、なるほどと頷けた。
患者 癌のお薬や支援に関する当事者の声を聞くことが出来て良かった。自身の所属以外の患者会について聞く機会はなかなかないので、貴重な体験だった。何故支援が結び付くところまで行かないのか等、抱える思いや課題が見えてきた気がする。ネガティブな結果も発表し、研究はデータベースに登録する事を初めて知り、貴重な研究の機会を無駄にしない様に考えられているのだと分かった。倫理審査委員会は企業や研究者側の身を守る為に一応置いているんだろう位のイメージだったが、どういう目的や考え方で審査しているのかを知ることが出来た。企業とのコミュニケーションの話は具体的で分かりやすく、今後こういう勉強や話し合いの場を作っていきたいと思い始めていたので、広く活用したいと思う。
市民 健常者にとって患者会は、もしかしたら団体の中で一番遠い存在ではないかと感じる。患者会の存在は知っているものの、どのような活動で、活動資金がどこから捻出されているかを知る人はとても少ないと思う。私も、製薬メーカーが寄付をしているとは知らず、社会貢献はもちろん、そうした行為が患者団体の独立性を尊重し、協働に関するガイドラインに基づいて行われていることも初めて知った。本日の講義で知ることがなければ、それに対して考える機会を持てず、協働することもできないことを痛感した。
また、臨床試験についてアメリカ・EU・日本とでシステムが異なり、その根底には文化や歴史の違いが影響することを知った。メリット・デメリットもあるが、日本では高齢化が加速し医療費が今後増加していくことを考慮すると、新薬の開発で今までとは異なる医学系研究のプロセスも必要ではないかと感じた。
市民 倫理の講義は話も具体的でとても勉強になった。「そもそも倫理に抵触する研究とは?」については、言われてみればそういうこともあるかもしれないが、普段は意識したり考えたこともなかったので、具体的に答えてもらえて良かった。患者会との関わり方やファンドレイジングは「患者の立場ではない」私にとってはピンとこなかったが、理解はできた。
患者 医療者側は患者のことをよく知らず、患者は医療者側のことをよく知らない。両者お互いに歩み寄ることが必要だと思った。医療者も単なる学生の試験としての患者コミュニケーション(OSCE)ではなく、患者を理解しようとすることが必要だし、一方で患者も最低限の医学の知識を身につけることが必要だと感じた。患者会との協働に際しては、患者団体は寄付金がもらえることが当たり前ではないことを再認識する必要があると思う。製薬企業が患者に提供できる資金や資材を見直さなければいけないと感じた。